『レザークラフトツールキット ザ・プレミアム』 〜完成への道のり〜


 

~ キャラクター紹介 ~

編集G…レザークラフト歴6年。バイカー、アメリカン、カービング等のワイルド系のレザーアイテムが好み。今日も北参道の居酒屋「鮒忠」の竜田揚げ定食を食べながら、新しい作品の計画を練っている。スポーツスター信者。

編集T…レザークラフト歴4年。ヨーロッパ風の小ギレイ系アイテムが好み。革小物を作ろうとして材料を揃え、設計もし、そのまま作らずに放置している計画が15件ほどある。全て実行するには10年ほど掛かりそう。ネコが好き。

編集H…クラフト編集員の紅一点。女性でも使えるが、かと言って乙女チックすぎないナチュラルで肩の力が抜けた作風を好む。「アレってアレしました?」が口グセで、よく周りをキョトンとさせている。ダークマターについて1時間語れる。

 

    2013年某日、新宿と渋谷の境目にある出版社スタジオ タック クリエイティブでは、緊急会議が開かれていた。


編集G:今日、君たちに集まってもらったのは他でもない…。レザークラフトの道具って、たくさんあるから迷うよね? ということを聞いて欲しかったんだけど。

編集H:あ、割とライトな内容でしたねw 身構えちゃいました。

編集T:そうですねぇ。似た用途の道具はどっちが良いか分からなくて、思い切って片方を買ったところ、使っているうちに逆の方が自分に必要だった! という経験は何度かあります。どちらか一方で事足りるので、もう一方を買ったらムダになるし…。

編集H:サイズもいくつかあるから、どれが良いか迷います。私、始めに買ったビニール板が一番小さいやつで、パスケースくらいなら問題なかったんですけど、トートバッグの持ち手を裁断したときは小さすぎて何度も置き直さなきゃいけないから、すごくイライラしましたw こんなことなら、始めから大きめを買っておけば良かったなぁ~。

編集G:やっぱり、そういうことある?

編集T:かと言って、確実に必要なものを見極めてから買い揃えようとすると、毎度毎度レザーの材料店に通うことになって大変ですね。

編集H:私は最寄りのショップが家から片道1時間くらい掛かるし、仕事場とも逆方向なので、そう頻繁に通えないんですよ。で、道具が手に入らないから作業が全然進まないw

編集T:そうそう。この間、やっと買いに来れた! と思ったら売り切れでした(涙)

編集H:w

編集G:僕もそんな感じ。そんなこんなで紆余曲折もあり、今や工具箱には無数の工具が眠っているというワケだよね。それでもつい買ってしまう。その半面、今あの道具が使いたい! ってときに、それを買ってない。

編集T:この間、よく使う道具をすぐ取り出せるように工具箱を整理したんですが、一度しか使っていない道具と余った材料で1/2ほどを占めていました。恐らく万単位の金額でムダになっているのではないかと考えられます…(涙)。

編集H:ww

編集G:う~ん。それは極端だけど、どうにかならないかね…。

編集T:………。

編集H:つくっ……ちゃいます……?

編集G&:え?

編集H:理想のツールキット、作ったら良いんじゃないですか? 今まで出版した本で頻出した道具、取材先の作家さんたちが好んで使っている道具、そして今まさに話していた、自分の経験で知った道具の知識を上手く活かせば、バランス良いのができそう! あ、いや、スミマセン! 出しゃばってしまいました。忘れてください…。 

編集G:………いや、イイかも。

編集T:………イイ。

編集H:え? あ、じゃあ決定ですねwww
 



    そんなワケで発売が決まった「編集部セレクト」のツールキット。さっそく内容を決めるミーティングが開かれた。

 

はじめはトントン拍子に事が進んで…

 

編集G:まず、必ず入れたいベーシックなツールを選ぼう。

編集H:接着剤、コバ仕上げ剤、それを塗るジラコヘラ丸ギリ銀ペンヒシ目打木槌。あと、ゴム板と裁断のときに敷くビニール板は必須ですね。

編集T:ビニール板は大きめで!!

編集G:それがいいね。接着剤は万能的に使えるサイビノールの他に、タイプの違うダイアボンドも入れよう。これは金属と革を接着することもできるから、色々な場面に応用が利く。それから、細くて軽めの木槌は小物には充分だけど、少し長めの距離に何度もヒシ目を打つときなんかは、しっかりと重さのある木槌の方が疲れない。

編集T:ヒシ目打のサイズは、2mm巾(4mmピッチ)あたりがカバー範囲が広いと思います。小さい作品を繊細に作りたいときも、大きめの作品を作るときも対応できます。

編集H:意外と注目しないんですけど、打つときの音を消すフェルトは欲しいですよね?

編集T:そうそう! うちはマンションなので、消音しないと気まずい。

編集G:では採用で。手縫い針手縫い糸は?

編集T:太い針は、大きくて縫い目の荒い作品では楽になりますが、やはりオールラウンドに使えるのは細めの針ですかね。その分、傷んで折れる可能性は増しますが、それを考慮して5本入れましょう!

編集H:糸は麻糸がいいなぁ~。革との相性は文句ないです。でも色で迷うかも…。

編集T:じゃあ何色か入れましょう!
一番よく使う黒、茶、ナチュラルで!

編集G:それとロウ引きに使う手縫いワックスも忘れずに。
 

編集T:裁断の道具は、革包丁を入れたいところですが…、使い勝手の良さで言えば、替え刃式の革たちなんかがバランスの良いセレクトじゃないでしょうか。

編集H:同感! あと、定規もビニール板と同じ理由で大きめを提案します。

編集G:では、長めで直角も出せる曲尺(かねじゃく)にしよう。

編集T:金具は種類が多すぎて、全てに対応する道具を網羅するのは過剰ですよね。

編集H:バネホックは小物ですごく良く使います。

編集G:ではバネホックを取り付けるためのバネホック打は入れよう。

編集T:取り付けるときの台は?

編集G:長く使うことを考えたら、全サイズカバーできるオールマイティプレートだな。

編集H:意義ナシ!

編集T:良い具合の道具が出揃ってきていますね! さあ早く集めましょう!!

編集G:まだ足りんだろう…。

編集H:粗忽者w

編集T:………何て読むの?

 

 

やがて、少し難しいセレクトに遭遇。

 

編集G:コバ仕上げの道具は、人によって好みが分かれるから、注意して選ばないと。

編集H:私は、紙ヤスリで削って形を整えたら、帆布で擦ってます。ホントは切りっぱなしの感じがナチュラルで好きですけどw

編集T:僕は、形を整えるときはサンドスティックですね。大きさと少し「しなる」感じが使いやすくて、繊細に削れる。でも、何枚も重ねて、厚くなった革はキツイかな…。

編集G:そしたらサンドスティックと、たくさん削るとき用にNTドレッサーも入れよう。でも、ヘリの形を丸く整えるときに、力加減で丸みが変わっちゃうんだよね。

編集T:じゃあ、簡単に均等な形に揃えられるへりおとしが便利ですよ。

編集H:あ! スリッカーとヘラが合わさったアレは入れた方が良いのでは?

編集T:えーと、ヘラ付ヘリみがきのこと?

編集H:それw
編集G:コバを仕上げるときに、革の色に合わせたコバ用染料は塗りたいよね。

編集T:そうですね。しかもいくつかの色から選びたい。糸と同じで3色入れましょう!

編集H:この間、染料をこぼして服に付いちゃいました。

編集T:なんで!?

編集H:直接塗ってたら、ピューって。

編集G:そりゃそうだ…。何かに少し出しておいて、綿棒に付けて塗らないと。でも、ちょうど良い量を出せる容器って意外とないよね。

編集T:こないだSR500のプラモを作ったとき、タンクに塗るクリヤが足りなくなってプラモ屋に買いに行ったんですが、塗料皿がちょうど使いやすそうなサイズだった気が…。

編集H:それ、ぜひ入れてください。
 

編集G:あと、ハトメ抜き問題。サイズが多すぎる。そして大きなサイズは意外と高価だから、いくつも揃えると一気に費用がかさむ。抜粋したいね。

編集T:抜粋と言ってもねぇ…。

編集H:うちの本の中で、満遍なく情報が載っているのは何ですか?

編集G:それなら、「レザークラフトスタートブック」はかなり満遍ないと思うよ。

仕立てや装飾のテクニックとか、作るアイテムをバランス良く掲載するというのがコンセプトだから。

編集H:そしたら、その本で使われているサイズを拾えば、バランスが…

編集T:バランスが良いですね!

編集H:取られた!!

編集G:スタートブックには「かがり」技法も載ってるから、それに使う目打レース針レースギリも入れれば、この本のほとんどのアイテムが作れるようになるね。

編集T:それはかなり幅広く使えますよ。面白くなってきました。

 

 

時には暗雲が漂うシーンも。

 

編集T:縫い線を引いたり、パーツに等しい幅で印を付けたりする作業には、ディバイダーが良いですよ。縫い線引きの道具はディバイダーで!

編集G:いや、でも、厚めの革を縫うときなんかは、少し溝が彫れるステッチンググルーバーが良いよ。レザークラフトの定番道具とも言えるし。この写真の一番手前に写っているのもグルーバーだし。

編集T:うーん。ディバイダーの方が用途が多いからなぁ。

編集G:グルーバーは溝に糸が収まって、摩耗に強くなる。よってグルーバー。

編集T:ちょっとベタ過ぎません?

編集G:ベタでこそ長く使えるでしょ。

編集T:ディバイダーの「プロっぽい道具感」は半端じゃないですからね。

編集G:動機が不純w

編集T:道具ってやっぱりカッコ良さも大事だと思います!!!

編集H:まあまあ。それはどちらも重要ということでは?

編集G&:その通りです。
 

編集H:だいぶ出揃いましたね。忘れているものはないですか?

編集T:あ! ガラス板は革を部分的に「漉く」作業で下に敷くので、持ってたいです!

編集G:え。漉きは少し難しい作業だし、漉かなくても作れるアイテムはたくさんあるから、入れなくても良いんじゃないかなぁ。

編集T:いや、必要ですね。

編集G:なぜ?

編集T:なぜって…透明でキレイだから。

編集G:ん?

編集T:道具ってやっぱりカッコ良さも大事だと思います!!!

編集H:まあまあ。ガラス板はトコ面を磨く作業とか、広い面を貼り合わせたときに押さえるのにも使えるので、使わないということはないのでは?

編集G&:その通りです。

 



    内容がほぼ決定し、発売まではいよいよパッケージングを残すのみとなった…。

 

特製パッケージボックスを作ることに


編集H:これだけ本格的なセットになるわけですから、しっかりしたボックスに詰めた方が良いと思うんです。

編集G:少なくとも、価格に見合った外見にしたいね。

編集T:賛成。丈夫な厚紙で作った箱に、格好良くロゴをプリントしましょう!!
 

編集G:おお! かなり豪華なイメージになったね。

編集H:レザーっぽい質感の紙に、銀の箔押しが映えますよ。

編集T:お歳暮にもぴったりでしょ!

 

 

しかし…。

 

編集T:でも…、何かまだ足りない気がする。

編集H:そうですね。もう、ひとつ。

編集G:何だろう…。

編集T:出版社だから…

編集G:だから…?

編集H:………本。

編集T:だね。本、特典で付けちゃいましょう。

編集H:うん。もうそれしかないですね。
編集T:何が良いだろう。
編集H:うーん。私だったら、基本動作をじっくりと覚えられるのが良いです。
編集T:それなら、「DVDで学ぶ レザークラフトの基本技法」かなぁ。
編集H:うんうん、それ欲しいです。

編集G:いやいやいや、君たち勝手に話を進めているが、なかなか難しいよそれは。

編集T:でも私達の売りは本ですよ。

編集H:本以外でアイデンティティが保てるとでも?

編集G:いや、だがしかし、責任者として安易にそのような…

編集T:いきましょう。

編集H:いきましょう。

編集G:………でもね、原価計算とか色々あってね。

編集T:いきましょう。

編集H:いきましょう。

編集G:………………………うぅむ…。
編集T:いきましょう。

編集H:いきましょう。

編集G:…………………いきましょう。
 





このような経緯の末、遂に発売となりました。

豪華な専用化粧箱入り
『レザークラフトツールキット ザ・プレミアム』

特典『DVDで学ぶ レザークラフトの基本技法』付き!!


¥35,000ー(税抜き)





レザークラフトツールキット ザ・プレミアム

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